ESSAYS 
 


パーフェクト・サークル

岩波ホールで上映中の映画パーフェクト・サークルを見てきました。戦時下のサラエボを舞台にした映画です。おそらく実際に戦争中に撮影されたと思われる映像は、廃虚と化したかつてのオリンピック開催地サラエボから、抜け出すことも出来ず満足な食料も明日への希望も持てない住民たちの生活を本当に淡々と描いていきます。ストーリーは特に盛り上がりを見せることもなく続き、ここでは「死」が「日常」の一部であるということを感じさせます。

電気も水も十分でない中、モスレムとセルビア人がともに助け合いながらなんとか生きている。国連軍の建物では華やかなダンスパーティーが開かれている。おそらく当事者にも良く分からない複雑な戦争だったのではないでしょうか。あまりに様々なことが複雑に絡み合い、突出した力を持った勢力もなく、止められないために続いていた戦争だったように思えてなりません。

1998/06/06