7/13の夕刊に掲載された先日の参議院選挙の記事に各候補の得票数の一覧がありました。
日本において一票の重さは等しくないという話は前から聞いていましたが、数字を示されるとあまりにも明らかです。
今回の参議院の選挙区選挙で最も得票数の少ない当選者は鳥取選挙区の坂野重信氏(自民)で128,000票でした。これに対し最も得票数の多い落選者は東京選挙区の小野清子氏(自民)で623,483票です。今回の選挙に関して言えば鳥取県民は13万人集まれば国会に一人送り込めたのに対し東京都民は62万人集まってもそれが出来なかったわけです。さらに見てみると坂野氏の得票数は同じ自民党の落選者27人全員の誰よりも少なく、自民党以外も合わせた全候補者のうち坂野氏より得票数の少ない落選者は都市部を中心に63人もいるのです。一票の格差を最も痛感しているのは市民ではなく都市部の代議士かも知れません。
もちろんこれは投票率なども関係していますので得票数の比較だけでは論じられないと思い、有権者数を調べてみました。鳥取の有権者は約48万人、東京は約957万人。今回の選挙の当選者数一人当たりでは鳥取48万人、東京239万人となります。実に約5倍です。
しかし議員定数をこれ以上増やすのは時代の流れに逆行します。だからと言って既に一人区となっているのをこれ以上減らす事も出来ませんし、一人区を3つ合わせてひとつの選挙区とするとアメリカ並みに飛行機で遊説しなくてはならなくなってしまいます。もっとも、そうなると従来のどぶ板式の選挙活動は事実上不可能でしょうから、手足となる地方議員の力が強まり地方分権が進むか、あるいは政策本位のメディア合戦になって良いのかもしれません。いずれにしましても、機械的に割り振るのはともかくとして、一票の格差はそろそろどうにかして欲しいものです。
インターネットで検索していたら以下のような資料がありましたのでご紹介しておきます。
自治省の平成9年9月2日(定時登録日)現在における選挙人名簿登録者数の概要より
参議院議員(選挙区)1人当たり登録者数1998/07/14多い選挙区 少ない選挙区
1 東京都 1,195,840 1 鳥取県 239,809
2 千葉県 1,144,315 2 島根県 300,243
3 大阪府 1,143,481 3 福井県 320,054
4 北海道 1,124,478 4 高知県 327,072
5 神奈川県 1,095,873 5 徳島県 329,536
6 兵庫県 1,068,638 6 佐賀県 336,183
7 福岡県 956,668 7 山梨県 342,745
8 愛知県 886,029 8 鹿児島県 345,343
9 埼玉県 883,237 9 熊本県 360,758
10 静岡県 730,860 10 岡山県 382,583全国平均 648,518人
最高(東京都)と最低(鳥取県)の比率 4.99:1
前年は、(最高(東京都)と最低(鳥取県)の比率 4.97:1