ESSAYS 
 


調布市文化のまちづくり推進計画策定委員

表題の委員に選ばれました。市報で募集をしているのを目にし、応募してみたら参加依頼が来たというわけです。委員は全部で20人、そのうち3人が一般市民からの公募です。応募の際に原稿用紙3枚以内の小論文を添付しなければならなかったのですが、以下がその小論文です。


調布市の文化のまちづくりに望むこと

調布市の市報で文化のまちづくり推進計画策定委員を募集していることを知り興味をもちました。ところが応募するには小論文を提出しなければなりません。課題は「調布市の文化のまちづくりに望むこと」です。普通まちづくりと言えば道路を広げたり公園をつくったりするものという印象が強く、その上に「文化の」というのが付くと具体的なイメージが湧きません。まぁ、文化を軸としたまちづくりぐらいのものだろうと考えたのですが、ぶんかのまちづくり、ぶんかのまちづくりと唱えているうちにこんどは「文化」が何だか良く分からなくなってきました。

そんなことを考えているうちに、芸術に限らずあらゆる行為は「文化」と呼び得る可能性を持っているのではないかと気づきました。そういった中から地に足のついた、調布の文化を育てていけば良いのではないでしょうか。ある行為が調布において「文化」と言えるレベルになるには、それがどれだけ一般化し市民生活に溶け込んでいるかということが鍵になると思われます。そのためには、なるべく広範囲の市民にとってアクセスしやすい環境の整備が必要なのではないでしょうか。これは必ずしも大多数の人に受け入れられることが重要であるという意味ではありません。イベントや集まりが開かれる時、少なくとも、興味を持った人あるいは興味をもつ可能性のある人ができるだけ障害なく気軽に参加できるようにするということです。例えば、高齢者や障害者にとって、それは、道路や建物のバリアフリー対策であるかもしれません。幅広い広報活動という意味では市報やホームページのよりいっそうの活用というのも含まれるでしょう。場合によっては臨時託児所の設置やベービーシッターにかかる費用の援助ということも考えられます。

調布市は小さな地方自治体のひとつに過ぎません。しかも幸い、さほど遠くない所にいくつもの立派な文化施設があります。そこで調布市では、一点豪華主義的に絵画等の美術品を購入したり、音楽ホールを造るのは国や都あるいは近隣自治体に任せて、行政には、市民の自発的な活動を影から支えるという、地味ではあるが重要な役割を演じて頂きたくことを望みます。


この委員会の第1回目が11月11日に開かれるのですが、その日僕はどうしても動かせない仕事が入っていて出席できません。第1回目ですから何とか出席したいと思い、もしまだ間に合うならばと日程の変更を文化振興課の担当者にお願いしたのですが、難しいという返事でした。その理由は「他の出席者の日程を考慮するとこの日しかない」ということです。20人もの委員の日程を合わせるのは現実的には非常に困難でしょうから仕方がないとは思いますが、僕の所に日程の通知があったのは委員依頼通知と同時でした。これは恐らく他の2人の一般市民から選ばれた委員の方たちも同様であったと思われます。つまり一般市民の委員の都合は全く考慮されておらず、文化振興課の姿勢としては一般市民の委員は「出席できるなら、出席して下さい」という程度の扱いであると言えるわけです。

文化のまちづくりなどという立派なタイトルをあげる前にこういった点から考え直して欲しいものです。

1998/10/27