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■ハーモニー・セブン・マンション管理棟■


周辺は大小いくつもの機織り工場やその跡地が目につく以外特に特徴の無い地域である。近年、それらの工場跡地が徐々に高層集合住宅へと転換を余儀なくされている。本建物もそのような高層集合住宅の敷地内に計画され、建主の所有する周辺のいくつかの賃貸集合住宅の管理拠点としての役割を担うことになる。
西側に前面道路(現状は幅員5m、将来24mに拡張予定)、南側に集合住宅へのアプローチ歩道、東・北側に駐車場という四方がオープンになった敷地であり、明らかなファサードは存在しない。また、敷地形状は東西に細長く、その幅(南北)は駐車場の配置計画よりほぼ自動的に5mに決定された。


南側がアプローチ歩道であることから事務室である1階は南にオープンな構成を避け、東西両端に開口部を設けた。また、円筒状の階段室は唯一開放可能な天井面を全面トップライトとし、2階休憩室は構造上の理由により南北両端を開口部とした。この建物は相互に絡み合う単純な3本のチューブにより構成されている。



主に接客空間である事務スペース1は1階西半分に位置し、天井高も高く、道路側に開いた伸びやかな空間となっている。一方、1階東半分(事務スペース2)は南北両壁に机・棚を設けた執務空間となっているが、天井高を2,200mmと低く押さえ上部に2階を設けている。また、事務スペース1、2の間に外径2,700mmの階段室を挿入することにより事務スペース1と事務スペース2は緩やかに分節され、全体を見通すことは出来ない。階段は内径2,300mmの円筒内壁から片持ち梁形式で鉄板を張り出し踏板、蹴込板としている。事務スペースとの間の扉は階段室側に開いた形を常態とし、2階休憩室との間には扉を設けていない。


1階事務室と2階休憩室という二つの要素の間に第三の空間として階段室を挿入し、両者をつなぎ、また、事務室も緩やかに二つの部分(事務スペース1、2)に分節することにより、結果として全体は曖昧に連続するひとつの空間となり、単純な構成の中に多様な場を生み出している。

モデル図




 所在地 愛知県尾西市三条字安17
 用途  集合住宅管理棟
 竣工年 1997年1月

 建主  ハーモニー株式会社
 設計  大塚誠+デザインワークス
 構造  ISO設計
 照明  角舘政英/ライトフィールドアーキテクツ
 施工  鹿島建設

 規模  地上2階
 面積  建築面積 51.35u
     延床面積 70.64u
       1階 47.49u
       2階 22.26u
       塔屋  0.89u


  このページの外観写真はすべて加斗タカオ氏の撮影です。